福島技術士事務所は○○○○○○○○を専門とする○○○○○○○○会社です。
現場の課題や問題の解決事例
製造コストの削減
１．はじめに
ある大手自動車メーカーは「乾いたタオルをさらに絞る」といわれるほどコスト削減に努めていると聞きます。コストを下げる知恵には、限界がないということを示唆していると思います。コストが下がればそれだけ利益が増えるということですから、すべての企業が取り組む課題といえます。
ただ。ここ数十年にわたって、労務費の削減すなわち、賃金のアップを押さえてきました。このため、企業の活性化は図れず、社員の将来の希望も失わせることにもなったと考えています。
２．製造原価の分析
（１）個別原価計算
生産する製品ごとの製造原価を把握することは必要ですが、実際にはなかなか困難です。これを先ず実施することが必要ですが、全社的な取り組みができるような社内の仕組みをつくらなければなりません。その重要なカギがしごとのデジタル化です。社内の原価計算システムは、いろいろな手法がありますから、専門家と協議してみてはいかがでしょうか。
（２）製造原価の構成
製品の製造原価の構成は次のように区分できますから、このような区分にしたがって、計算をおこないます。
一般的に、製品の材料費が全体の６０％程度占めていますから、材料費の削減に取り組むことが先ず要求されます。
３．コスト削減の目のつけどころ
コスト削減の方法は、いろいろな手段があります。その企業の課題、問題点を把握して、その中から目標を定めて、優先的に取り組むことです。一般的なコスト削減活動として、次のような取り組みが行われています。
①.設計変更又は新商品設計によるコスト低減
②.工場における生産性向上、品質改善などによるコスト低減
③.設備の自動化、ロボット化、設備改善によるコスト低減
④.外注部品や購入部品のコスト低減
⑤.その他間接部門の改善、経費の節減などによるコスト低減
４．コスト削減手法
(（1)ＶＡ（価値分析）
すでに述べたように、設計後の部品や組立品のコストを下げる手法としてＶＡ（Value Analysis）は、よく活用されています。その部品の機能（はたらき）とコストを検討して、より高い価値を見い出していく手法です。すなわち、求める機能を発揮する「よりコストの安い材料や部品」を検討していくものです。
ＶＡのポイントは、使用材料の変更、加工工程の短縮、加工方法の変更（加工のスピードアップや材料の節減）、部品の一体化、共通化などです。
このように部品の機能、価値を見直して、コストを削減していく手法によって、大幅なコストダウンが可能になってきます。このVAの発想から部品加工工法の技術革新がどんどん進んでいます。特に、プレス加工、冷間鍛造加工はこれからも注目していく必要があります。
(２）購買部品のコスト削減
一般購入品（鋼材、ねじ、各種資材、汎用機器類、検査機器、測定機器など）は、購買担当者の購買能力、価格情報、販売業者情報などにより購入コストが変動しますから、自社のコスト情報の強みを活かす購買手法に取り組む必要があります。
一般的な取り組みはコストテーブルを活かすと共に、ベンチマークをしっかり調査してより効果的な価格を追求していくことです。
さらに、購買担当者には、固有技術（機械加工、鍛造、ダイキャスト、プレスなど）に関する材料や部品の市場価格を把握するように努力が求められます。
（３）外注コスト低減
調達品（自社の設計図、仕様図などに基づき外注するもの）のコスト低減は、受注メーカーの努力に依存するだけではなく、発注企業としての支援が欠かせません。一般に外注工場の加工や組立は、自社の生産工程と同期している場合が多いので、外注先も内製工程と同じであるという視点も必要です。
さらに、外注メーカーのコストに関わる問題は自社の発注、納期、提供する技術情報などの問題が大きく影響していることがあります。外注先のコスト改善は自社の問題の一部であるという認識も必要です。
（４） 海外調達、海外生産
コスト削減の一環として、海外調達や海外生産があります。海外生産は大きな魅力ですが、そのリスクも高いので、事前の生産販売計画（事業計画）、社内の海外要員（人材）、資金、提供する技術などについて十分な検討が大切です。
中小企業は、独自で海外進出は困難なので、現地企業との合弁生産が早道ですが、同時にパートナーとの問題などから撤退する企業も少なくないようです。特に、現地のパートナー（共同経営者）を選ぶのが一番難しいと聞いています。パートナーと事業の運営などで考え方のずれが大きくなり、結果として撤退せざるを得ない事態に追い込まれるということが起こりますから、海外生産を行うには事前に十分な 検討が必要です。
（５）現場のムダの改善
部品加工や製品組立において、長い間にはいろいろなムダがあります。現場では、先ず３Sに取り組み、又は見直してみることから職場の改善に取り組んで行くことです。そうすることによって、不良品が減りムダな在庫品も少なくなり職場の環境も大きく変わってきます。例えば、職場の不用品整理、機械類の清掃、工具や検査ぐなどの整頓などは生産効率を高め、不良品の低減などの効果が目に見えてきます。
製造コストの削減
１．はじめに
ある大手自動車メーカーは「乾いたタオルをさらに絞る」といわれるほどコスト削減に努めていると聞きます。コストを下げる知恵には、限界がないということを示唆していると思います。コストが下がればそれだけ利益が増えるということですから、すべての企業が取り組む課題といえます。
ただ。ここ数十年にわたって、労務費の削減すなわち、賃金のアップを押さえてきました。このため、企業の活性化は図れず、社員の将来の希望も失わせることにもなったと考えています。
２．製造原価の分析
（１）個別原価計算
生産する製品ごとの製造原価を把握することは必要ですが、実際にはなかなか困難です。これを先ず実施することが必要ですが、全社的な取り組みができるような社内の仕組みをつくらなければなりません。その重要なカギがしごとのデジタル化です。社内の原価計算システムは、いろいろな手法がありますから、専門家と協議してみてはいかがでしょうか。
（２）製造原価の構成
製品の製造原価の構成は次のように区分できますから、このような区分にしたがって、計算をおこないます。
一般的に、製品の材料費が全体の６０％程度占めていますから、材料費の削減に取り組むことが先ず要求されます。
３．コスト削減の目のつけどころ
コスト削減の方法は、いろいろな手段があります。その企業の課題、問題点を把握して、その中から目標を定めて、優先的に取り組むことです。一般的なコスト削減活動として、次のような取り組みが行われています。
①.設計変更又は新商品設計によるコスト低減
②.工場における生産性向上、品質改善などによるコスト低減
③.設備の自動化、ロボット化、設備改善によるコスト低減
④.外注部品や購入部品のコスト低減
⑤.その他間接部門の改善、経費の節減などによるコスト低減
４．コスト削減手法
(（1)ＶＡ（価値分析）
すでに述べたように、設計後の部品や組立品のコストを下げる手法としてＶＡ（Value Analysis）は、よく活用されています。その部品の機能（はたらき）とコストを検討して、より高い価値を見い出していく手法です。すなわち、求める機能を発揮する「よりコストの安い材料や部品」を検討していくものです。
ＶＡのポイントは、使用材料の変更、加工工程の短縮、加工方法の変更（加工のスピードアップや材料の節減）、部品の一体化、共通化などです。
このように部品の機能、価値を見直して、コストを削減していく手法によって、大幅なコストダウンが可能になってきます。このVAの発想から部品加工工法の技術革新がどんどん進んでいます。特に、プレス加工、冷間鍛造加工はこれからも注目していく必要があります。
(２）購買部品のコスト削減
一般購入品（鋼材、ねじ、各種資材、汎用機器類、検査機器、測定機器など）は、購買担当者の購買能力、価格情報、販売業者情報などにより購入コストが変動しますから、自社のコスト情報の強みを活かす購買手法に取り組む必要があります。
一般的な取り組みはコストテーブルを活かすと共に、ベンチマークをしっかり調査してより効果的な価格を追求していくことです。
さらに、購買担当者には、固有技術（機械加工、鍛造、ダイキャスト、プレスなど）に関する材料や部品の市場価格を把握するように努力が求められます。
（３）外注コスト低減
調達品（自社の設計図、仕様図などに基づき外注するもの）のコスト低減は、受注メーカーの努力に依存するだけではなく、発注企業としての支援が欠かせません。一般に外注工場の加工や組立は、自社の生産工程と同期している場合が多いので、外注先も内製工程と同じであるという視点も必要です。
さらに、外注メーカーのコストに関わる問題は自社の発注、納期、提供する技術情報などの問題が大きく影響していることがあります。外注先のコスト改善は自社の問題の一部であるという認識も必要です。
（４） 海外調達、海外生産
コスト削減の一環として、海外調達や海外生産があります。海外生産は大きな魅力ですが、そのリスクも高いので、事前の生産販売計画（事業計画）、社内の海外要員（人材）、資金、提供する技術などについて十分な検討が大切です。
中小企業は、独自で海外進出は困難なので、現地企業との合弁生産が早道ですが、同時にパートナーとの問題などから撤退する企業も少なくないようです。特に、現地のパートナー（共同経営者）を選ぶのが一番難しいと聞いています。パートナーと事業の運営などで考え方のずれが大きくなり、結果として撤退せざるを得ない事態に追い込まれるということが起こりますから、海外生産を行うには事前に十分な 検討が必要です。
（５）現場のムダの改善
部品加工や製品組立において、長い間にはいろいろなムダがあります。現場では、先ず３Sに取り組み、又は見直してみることから職場の改善に取り組んで行くことです。そうすることによって、不良品が減りムダな在庫品も少なくなり職場の環境も大きく変わってきます。例えば、職場の不用品整理、機械類の清掃、工具や検査ぐなどの整頓などは生産効率を高め、不良品の低減などの効果が目に見えてきます。